熊本地震と復興への取り組み

平成28(2016)年4月14日21時26分、後に「前震」と呼ばれる熊本県熊本地方を震源とする震度7の地震が発生。その後に続く「本震」と合わせ、熊本は過去に例を見ない二度に渡る震度7の揺れに襲われ、大きな被害を受けた。震災によりえがおも一時的にライフラインが止まり、社屋の破損などもあったが、幸いにも人的被害はなかった。前震直後より、社屋へ避難を希望される近隣住民が多数集まったため、急遽本社を避難所として一般開放。業務の面ではお客様からの受電ができないといった影響があったが、こうした緊急時のことも想定し、社員寮を本社近くに整備していたお陰で従業員の一部は地震後すぐに会社に駆けつけることができ、一斉に復旧作業に取り掛かかった。その甲斐あって、本震後の16日のみ営業を停止し、17日からは一部再開することもでき、お客様への影響は最小限に抑えることができた。

震災直後より全国のお客様から心配と励ましのお電話、そして1000通を超えるお手紙を頂いた。お客様のみならず、日頃私たちを支えてくださっているビジネスパートナー様もすぐに支援物資を送ってくださり、こうした温かい励ましのおかげで、社員一同が復興に向けて頑張ろうと前向きな気持ちになり、大きな励みとなった。

本震発生3日後からは、社員が避難所に足を運び、避難者の方々の健康を少しでもサポートできるようにと青汁やサプリメントの配布、炊き出しを実施。週末は、北野自ら避難所に足を運び、避難者一人ひとりの声に耳を傾け心のケアを行い、7月末までに県内の避難所約200か所を350回以上に渡り訪問した。

震災以降、毎年4月14日には社員やその家族、企業内保育園の子ども達の手作り灯籠に明かりを灯し、地震によりお亡くなりになられた方々へのご冥福と熊本の復興を祈念して「えがお復興あかり」を開催している。
今回の震災を受け、日常が当たり前ではないこと、そこに対する感謝の気持ちを忘れてはならないことを、社員は改めて実感することとなった。そしてその想いを復興への力に変え、これからも歩み続けていかなければならない。

  • えがお復興あかり 灯ろう
  • えがお復興あかり 灯ろう

働き方改革

平成31(2019)年4月に施行された「働き方改革法」に合わせ、全国的に本格化された働き方改革であるが、えがおは他社に先駆け2015年頃から改革に着手していた。

「人は財産。働きやすい環境を整えることで、社員には長く働いてほしい」という北野の想いから、設備や制度は2014年の本社移転で多くは整っていたが、その一方で長時間勤務が常態化している面があった。
そこで生産性と効率を高めることで残業を減らし、ワークライフバランスを叶えるため、本格的な働き方改革に着手。業務棚卸会議を開き、すべての業務の見える化・振り分けなどを行う一方、ひとり親支援プロジェクトの始動や、小学生の長期休暇限定の社内学童保育「えがお学童」を開設するなど、社員が子育てと仕事を両立し、安心して働ける環境を充実させた。

こうした取り組みが評価され、「働き方改革企業2019優秀賞」に選出されるとともに、「健康経営優良法人」「熊本市子育て支援優良法人」などの認定も受ける。平成31(2019)年4月には、事業所内保育所に続き2園目となる企業主導型保育所「えがおエミィ保育園」を開園。さらに有給休暇の時間取得を可能にするなど、制度・設備の拡充を図っている。

  • えがおエミィ保育園 外観
  • えがおエミィ保育園

事業の拡大

年々拡大を見せていたサプリメント市場は、平成27(2015)年の機能性表示食品制度の開始とともに、一気に伸長する。えがおからも同年12月に初の機能性表示食品「えがおのルテイン」が誕生。さらに、平成31(2019)年4月には初の医薬品となる「えがお アユムンEX」を発売し、新たに医薬品の分野への進出も果たす。

令和元(2019)年9月には、初の実店舗となる「伝統発酵 くろず庵」を熊本市内のSAKURAMACHI Kumamotoにオープン。健康食品の他、「くだもの黒酢」をはじめとする黒酢を使った食品を販売。お客様にえがおの商品を身近に感じていただくだけでなく、対面接客ならではの応対を通して、よりお客様の立場に立ったサービス力の向上を図っている。

令和元(2019)年8月17日、えがおは創業30周年を迎えた。
これまでの日々を振り返った北野は「母親に楽をさせたい一心で会社を興した当時は、30年も続くとは想像もしていませんでした。日本で30年続く会社は1万社にたったの2社。これは奇跡的な数字です。今、こうしてえがおがあるのも、多くのお客様、ビジネスパートナー様、地域の皆さまに支えられたお陰と心より感謝しています。そして何より、ともに30年、お客様に喜ばれることを追求し続けてくれた社員に、感謝の想いでいっぱいです。」と語る。
翌令和2(2020)年には台湾での商品展開も開始し、海外事業も本格始動。これは、私たちの志である「世界の人々に健康と笑顔を想像し、しあわせな社会を創る」の実現に繋がる大きな一歩である。

これからも「お客様の健康を支え、喜ばれるために、何が出来るのか」想像力を働かせ続け、その切なる想いと強い使命感をもって、取り組み続ける。

  • SAKURAMACHI Kumamoto「伝統発酵 くろず庵」
  • えがおグループ30周年式典